初めての防衛なるか、それとも挑戦者が並ぶか……。
17日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで第46期碁聖戦5番勝負の第4局が打たれる。一力遼碁聖(24)に井山裕太三冠(32)が挑む形だ。現在の対戦成績は一力碁聖の2勝1敗となっており、一力碁聖が第4局を制すれば初の防衛となる。井山三冠が勝てば、最終局までもつれ込む。
一力碁聖は「令和三羽烏」とも呼ばれる若手の棋士で、碁聖の他に天元のタイトルも持ち今回が初のタイトル防衛戦。新聞記者と囲碁棋士の二足の草鞋を履いている。長いこと7大タイトルを取ることができなかったが、2020年に通算6度目の挑戦手合いで初めて碁聖を獲得した。
井山三冠は言わずと知れた日本囲碁界最強の棋士。現在は棋聖、名人、本因坊の三冠を保持しているが、かつては7大タイトルを同時に保持していた実力者だ。
両者ともに日本囲碁界を代表する棋士だけに激しい戦いが予想される。2勝1敗と流れは一力碁聖に向いてはいるものの、追い込まれてからの井山三冠は強い。7月に歴代最多に並ぶ10連覇を達成した本因坊戦においては、カド番から3連勝をしてタイトルを保持した。挑戦者であった芝野虎丸の流れと思われていただけに、改めて井山三冠の実力を示す内容だったと言えるだろう。
持ち時間は各4時間。一力碁聖と井山三冠はなんどもタイトル挑戦手合いを戦っているだけに、お互いのことを知り尽くしている相手と言えるだろう。立会人の張栩9段は「実力が抜けた2人による、囲碁界の覇権争いだ」と語る。どのような熱戦が繰り広げられるか、楽しみでしょうがない。