映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』が2022年に公開することが決定した。出演は、ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン他。イギリス中を巻き込んだ嘘のような感動の実話が、ついに映像化される。
13世紀後半から20世紀初頭までの貴重なコレクションを揃える美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」（以下、ナショナル・ギャラリー）。190年以上の長い歴史を持ち、「英国の至宝」と称えられるほど世界中から注目を集める美術館である。本作は、そんなナショナル・ギャラリーで起きた名画の盗難事件をもとにした作品。1961年にスペイン最大の画家と謳われるフランシスコ・デ・ゴヤの「ウェリントン公爵」が盗まれた事件だ。ナショナル・ギャラリー始まって以来、最大の盗難事件。犯人は、なんと60歳のタクシー運転手だった。
タクシー運転手・ケンプトン・バントン（＝ジム・ブロードベント）は、ゴヤの絵画を「人質」にとり、イギリス政府に対して身代金を要求。TVが唯一の娯楽だった時代、その身代金を寄付してイギリスの公共放送・BBCの受信料を無料にすることを望んだのだ。そうして孤独な高齢者たちの生活を助けようと行動したケンプトンは、今回の事件を引き起こした。しかし事件にはもう一つ隠された真相が――。約50年の時を経て明かされる、イギリス中を巻き込んだ「優しい嘘」とは……？
本作で主演を務めるのは、映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女』で知られる名優・ジム・ブロードベント。共演は、2006年公開の映画『クイーン』でエリザベス女王を演じたミレン・ヘレンだ。観る者すべての心を動かすストーリーに加え、二人のユーモアあふれる会話劇も見逃せない。
