ミニシアターの先駆け・岩波ホールが閉館へ……54年の歴史に幕

ミニシアターの先駆け・岩波ホールが閉館へ……54年の歴史に幕

ミニシアター好きに悲報が飛び込んできた。ミニシアターの先駆者と言っても過言ではない東京・神保町の岩波ホールが閉館、54年の歴史に幕を閉じることが発表された。閉館日は7月29日(金)となる。

https://twitter.com/iwanami_hall/status/1480721244584824832?s=20

公式HPによると閉館理由は「新型コロナの影響による急激な経営環境の変化を受け、劇場の運営が困難と判断」とのこと。老舗映画館も新型コロナの影響は避けられなかった。

岩波ホールは1968年2月から多目的ホールとして開館。その後1974年より名作映画上映の普及運動「エキプ・ド・シネマ」(フランス語で“映画の仲間”)を発足。この運動は「日本では上映されることの少ない、アジア・アフリカ・中南米など欧米以外の国々の名作の紹介」「欧米の映画であっても、大手興行会社が取り上げない名作の上映」「映画史上の名作であっても、何らかの理由で日本で上映されなかったもの、またはカットされ不完全なかたちで上映されたもの」「日本映画の名作を世に出す手伝い」というもの。第一作目にはインド映画『大樹のうた』を上映した。

これまで65カ国・271作品の名作を上映してきた岩波ホール。映画ファンを魅了してきただけに、ネットでは「ここでしか見られない良質な映画は、どうすれば良いんだろう…。」「若いときによくおじゃましました。サリン事件の日に支配人さんが的確なご指示をして下さいました。残念です。」「これはショックだ。
最近は自宅か職場の近くでしか映画見ていなかった。もっと行けばよかった…。」「めちゃくちゃショック…ここでしか配給されない映画何十年もたくさんあったのに…」と悲しみの声が溢れた。

それと同時に「若い頃メジャーではない良質の映画を沢山教えていただいた。残念です。長い間有難うございました。m(_ _)m」「もっと伺えばよかったと後悔…素晴らしい作品の数々をありがとうございました。」感謝の声も止まらない。

なお岩波ホールの会員制度「エキプ・ド・シネマの会」も7月29日で終了する。詳細などは決定次第告知される。

岩波ホールだからこそ味わえた名作映画をこれからどこで楽しめばよいか、と思う映画ファンは多いだろう。今後の上映スケジュールについては公式HPにて案内されるので、ぜひチェックしたい。

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